◆彩色工程〜エアブラシはぜってー必要かも◆
この工程は簡単。イエロー・オレンジ系もしくはイエロー・ブラウン系のシャドー吹きの後に赤系でグラデーションをかけるだけ。うん、これだけ。実に簡単なのに失敗したら振り出しに戻るというとんでもないトコではあるんだけど。(写真4,5)
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写真4 イエロー系の塗装が終了したところ。キャストが元々赤っぽいので、黄色を強めに吹いた。 |
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写真5 更に赤系を塗り重ねて肌色の再現を試みた。 |
で、今のところ塗料には、アクリル系クリア透明(田宮のアクリル塗料を使っている)をバインダーに、アクリル絵の具(ドクターマーチン・ピグメント・・・ネイルアートに使われたりするやつです)を溶いたものを使います。普通のフィギュアのサフレス塗装と違うところは、光耐久性を重視するためにカラークリア塗料や蛍光色を使わないとこかなぁ。濃度は、1回吹いたくらいでは色が着いたかなって程度にまで透明クリアで薄める。色と透明クリアとの比率は、1:20位。何回も吹き重ねることになるけど、こちらの方が失敗が少ないようですね。肝心の塗料の調合比率は、ベースのキャストの色にも左右されるのと、白人系に仕上げたいのか、東洋人風に仕上げたいのかで変わってくる為、何回か試して自分の気に入る色を作るしか手はないでしょう。例えば、写真6は、写真1と同じ配合比で調合した塗料を使って仕上げてあるのですが、ベースが、「美白」であるがために、ユノスと並べるとかなり白が強調されて白人系に近い仕上がりとなってます(写真がへたれで判りにくいかもしれませんが)。
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写真6 これに更に色を重ねてやれば、普通肌から仕上げたのと同じ仕上がりにはなる。オプションパーツで組み立てて、塗装を前提とするならば、人気がない故にパーツ類が入手しやすい美白で揃えるのも良いかもしれない。ちなみに「ののレイ」に使ったのは、このボディ。市販品で入手できるボディでは、美白ピュアスキンが一番最適だとは思う。 |
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さて、塗装が終了した時点で、肌は均一に光沢感を取り戻しているはず。この上から艶消しクリア(半光沢くらいがちょうど良い)を吹いて、全体の艶を落ち着かせたらほぼ終了だ。反則技だが、このときの艶消しクリアにはラッカー系を使うと彩色部分のムラを薄くすることが出来る(塗膜がシンナーで溶けて混ざるのだ)のでお奨めだ。
◆後はメイクだけ◆
完全に塗料が乾いたら眉や口紅などのメイクをして、終了。今回唇の塗装では、同じ赤系塗料をエア圧を0.5kgfにして、ニードルも半分閉じて1cm位の距離から何回か重ね吹きして厚くして仕上げた。
関接部に自立セットのように革を貼るとパーツ同士のこすれによる塗膜の削れが減るのでできればしたほうが良いでしょう。
市販の睫毛はイメージに合わなかったので、創作人形的なやり方で植毛するが、神経スリへらしそうになって断念、結局もう少し簡易的な睫毛を自作して使用した。(最近は睫毛の種類も多くなったので、自作する必要は無いと思う。)
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写真7 荒木ユノスのオリジナルを重視するのならば眉毛のモールドは削らない方が良いと思う。自分のは削っちゃったけど・・・(笑)。セイナもアイカも元はおなじなので、衣装と鬘などの好みで選べば問題なし。もともとはオプションパーツの交換で両方楽しめるようになっていたらしいのだが、販売元の意向で2体になったらしい。結局絵本は付属されなかったし・・・まぁ、今から見るとちょっと恥ずかしいかもしれん。 |
◆終わりに〜いわゆるひとつの私見ですが◆
肝心の彩色工程の部分では、実は基本のエアブラシの使い方がポイントです。このやり方によるサフレス塗装の作業上のポイントは、シャドーと色の重ね具合で仕上がりが左右されることと、大きく失敗したら下手に修正しようとするのでなく、失敗したパーツはシンナー漕へどぼんと浸けて最初から塗装した方がはやく綺麗に仕上がるという点くらいです。小さな失敗は、メラニンスポンジで修正することもできるので、あまりひどい失敗じゃなかったら、それで削りなおすのも良いかも知れません。それと、何度失敗してもやり直しがきく(やり直すたびにキャストの油分も抜けるという、ありがたい副産物もある)ので、初心者でも安心してトライ出来るでしょう。
サフレス塗装について実際にドルパ4で荒木氏より教えていただいた工程は、「ペーパーで磨いたら艶消しクリアを吹いて、磨いたところとそうでないところの色調を合わせた後、艶有りクリアを吹いて更に艶消しクリアーを重ねる、塗装はアクリル系塗料を使っている」ということだったので、塗料の選択など結構適当なアレンジが入っています。荒木風のシャドーの入れ方など一番参考になったのは、手持ちの完成フィギュアとイベントで撮ってくる写真と、写真集「COM'P・X」だったり。今ならユノアとかも運がよければ購入できるので、わざわざ覚える必要もないことなのかもしれませんが。 |
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コンテンツ製作:2001年6月1日
改訂:2004年1月4日 |